ご褒美は逆効果?小学生の【学習動機付け】は親との関係性にあり!
うちの子、勉強にやる気がなくて・・・
成績が上がったらゲームを買う約束をしてるんだけどそれでもやらないのよね
ちょっと待って!気持ちはわかるけど、そのご褒美、逆効果かも!
今回は小学生がやる気を持って勉強に取り組むために必要な、学習に対する動機付けについてお話したいと思います。興味深い実験結果が出てますよ!
目次
小学校低学年は動機付け不要!
学習動機づけとは学ぶことに対する意欲ややる気、モチベーションと言い換えられるかと思います。
心理学のお話になるので簡単にまとめますが、動機づけには内的動機づけと外的動機づけの2種類あります。
- なぜ勉強するのか?
内発的動機づけ
面白いから・新しい事を知るのが楽しいから・勉強して賢くなっていく自分が好きだから
外発的動機づけ
怒られるから・友達に負けたくないから・成績があがると好きなものを買ってもらえるから
小学校低学年の子どもは学習に対して内発的動機づけが高く、中学年・高学年になるにつれて外発的動機づけが高くなります。ぴっかぴかの一年生は特に学校や授業、勉強に対してやる気が満ちていますので特に大人が勉強しなさいと怒らなくてもいい状態です。
内発的動機づけのほうが長続きするのではじめはご褒美につられて勉強したとしてもそのうちやらなくなってしまいます。あとの実験結果で詳しくお話しますが、やりたくてやっていることに対して過度なご褒美を与えるとかえってやる気をなくす原因になってしまうので注意が必要です
ご褒美は意味がない!?
ハーバード大学の経済学者、ローランド・フライヤーが約10億3400万円もの費用をかけておこなったアメリカ史上最大の教育実験があります。
ちなみに先生に対しても生徒の成績を上げられたらお金がもらえるという実験を行っていたのですがなんなら成績が下がった学校もあったとか。
元々成績優秀な子どもには少し効果があったようですが、肝心の学習動機付けがなされていない勉強しない子どもには効果なしということでした。
ただし、本を読むことに報酬を支払った実験では成績に対して報酬を与えていなかったのに結果的に成績が上がりました。「今度のテストで90点以上とったらお小遣い」というような少し先の未来に対しての報酬は無意味ですが、「本を1冊読んだら100円」といったようなやったことにすぐ結果がついてくるような報酬は効果が見込まれるようです。
ご褒美はやる気を削ぐ!?
スタンフォード大学の心理学者、マーク・レッパーが幼稚園児に対して行った実験がとてもわかりやすいのでご紹介します。
目的・・・インセンティブ(報酬・賞、リボン)を与えることでお絵描きに対してやる気があがるのか
実験方法・・・1.お絵描きをしたら賞とリボンをあげると約束してお絵描きさせるグループ、2.何も約束しないでお絵描きをした後にサプライズで賞とリボンを与えるグループ、3.お絵描きに対して何も与えないグループの3つに分けてその後を調べる
結果・・・1~2週間後再びお絵描きをさせたところ、1のグループのみお絵描きをする時間が減り、興味もなくしていました
子どもたちだけでなく大人に対する似たような実験も同じく報酬を約束されたグループはやる気がなくなるという結果になっています。
これは無意識に報酬をくれるということは、報酬がないとやりたくないような嫌なことをやらされていると考えてしまうからだそうです。
そのため次回から報酬がないとなるとその行動をすることすらしなくなるか、以前よりも悪くなると結論づけられています。
学習が報酬のための労働となってしまうのか・・・大人も自分のことに置き換えて、考えさせられるデータだね・・・!
オンライン硬筆の授業で「ご褒美以外」を体感しよう
今回は学習動機付けに対してご褒美の効果を中心にお話してみました。
実験結果を見てみると安易にゲームやお小遣いといったご褒美を与えることはイイコトとは言えず、取り扱いが難しそうですね。
できるだけ内発的動機付けで学習に取り組むことが出来ればいいのですが、それにはご褒美以外に大切なことが3つあります。
それは
・「自律性」自分で決めてやるということ
・ 有能性」実力よりも少し難しいことにチャレンジさせるということ
・「関係性」親や先生に尊重されているといういい関係であるということ。
これらはオンライン硬筆の授業でも採用されている方法なので、実際に体験して効果を実感してみてくださいね!