子どもに読書が必要な理由 字の持つ魅力と多様性

新年を迎えると毎年のように今年は読書をしようと言っている人、みなさんの周りにもいるのではないでしょうか。読書離れが進むと言われる昨今ですが、自分のことはさておき親の立場からすると「子どもにはたくさん本を読んでもらいたい!」と願う人が多いようです。子どもに読書が必要な理由はたくさんあるとは思うのですが、今回はわたしなりにお話ししてみたいと思います。

目次

本を読むと算数の問題も解ける

小学生の子どもで算数の計算は出来るのに、文章題になると急に解けなくなるという子がいます。小学校低学年の算数は数学というよりも国語の力が必要になります。算数以外でも教科書には文字が書かれているわけですからどうしても読む力が大切になってきます。

ある脳科学の先生が幼児教育について書かれていた本の中で実は学校の勉強をしているだけでは、学校のテストの問題を理解する力が育たないと明言されていました。なんだか一瞬え?どういうこと??と戸惑ってしまうような発言ではないでしょうか。

もちろん学校の勉強で漢字も習って文章力や知識もつけていくことが出来るのですが、テストの点がイマイチという子どもは実はテストの問題を理解できなかったり、理解するまでに時間がかかったりしていることがあります。

テストの点は数字なので同級生と比べることもできますが、テストの問題を理解するまでの時間なんて目に見えないですよね。本人にも親にもそれが早いのかどうかなんてわかりません。でもその力を育てられるのは教科書や勉強以外での読書の時間なんだそうです。

本を読むと「つまり?」に答えられる

友人に小学生の頃、年間300冊読書していたという人がいます。

さすがに国語は得意科目だったそうで、文章の助詞(てにをは)をなぜ同級生が間違えるのが不思議で仕方なかったそうです。子ども向けの簡単な文章だとしても本として出版されているわけですからもちろん校正を受けていて、助詞が誤っているなんてことはないですよね。ネットやSNS等で文章を読むことは出来ますが、わたしの文章も含めて(汗)本ほど正確に文章が書かれているとはお世辞にも言えないでしょう。

勉強のつもりではなく読書にのめり込んだ体験から助詞の違和感に自然と気づけたり、つまりこの登場人物は何が言いたいんだ?ということを汲み取れる読解力や要約力が身に付きます。

これって学校での勉強が終わって社会に出ても、恒久的に必要になるスキルですよね。相手から何を言われているかを理解し、相手に何を伝えたいのかをシンプルに考える能力が読書で育ちます。相手から「つまり?」と聞かれた時に焦らずに済む子であれば無駄に緊張したりせずにたくさんの人とコミュニケーションを取れるようになれそうです。

手書きの訓練が足りないと文章作成能力が低下する?

手書きの文字は「読む力」だけでなく「書く力」にも影響があるという研究結果を発見しました。(詳しくはこちら)京都大学の大塚貞夫博士によると、研究で、漢字を手書きで十分に練習することが、文章作成の能力に影響を及ぼすかもしれないことが分かったそうです。小学校から高校までの間に手書きで字を覚えることは、高度な言語能力の発達にとても重要だという内容です。

漢字の能力には「読字(読み)」「書字(書き)」「意味理解」という三つの側面があり、それぞれ異なる能力が求められることが明らかになりました。この成果を踏まえ、新たな研究では漢字の読字、書字、意味理解のスコアと、語彙や教養などの知識の習得度と文章作成能力との関連性を分析し、3側面のどの力が、高度な言語能力の発達にどの程度影響しているかを調べたところ・・・

その結果、3側面の中で書字能力だけが、言語的知識の習得を介して文章作成能力に影響を及ぼしていたそうなのです。言語的知識の習得度には3側面のいずれも強く影響していましたが、文章作成能力にまで影響したのはなんと書字だけでした。

「字を書くこと」の魅力と多様性

いつもはきれいな字を書くことの大切さについてお話していますが、今回は字で書かれた本についてのお話でした。字を丁寧に書くときも心を整えて集中しますが、読書も同じように本の内容に浸って集中して読みますよね。

字というものには、人を夢中にさせる不思議な魅力があるように思えます。読解力や要約力、文章作成能力が育つほかにも、動画や漫画よりも想像力が鍛えられることも読書の魅力のひとつ。

≪読む≫でも≪書く≫でも子どもを字にたくさん触れさせて、心豊かに成長させてあげたいですね。
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